圧縮空気を動力源として使用する際、必ず発生するドレン。
そのドレンを排出する装置であるドレンバルブには、さまざまな種類のものがあります。
そのメリットやデメリットをわかりやすく解説するとともに、高い信頼性で選ばれている「ドレンタイマーバルブ」を紹介します。
ドレン、ドレンバルブとは
ドレン(drain)は、機器の動力源として圧縮空気をつくる際、圧縮された水蒸気が水になったものです。
ドレンには水以外にも、コンプレッサーで使われた油、配管などのスラッジやスケールなどの不純物が含まれ、適切に処理をしないとライン内の機器や生産に悪影響を及ぼします。
ドレンバルブは、コンプレッサーをはじめとする機器などで発生したドレンを排出するための水抜き弁です。
ドレンバルブの役割と種類
ドレンバルブの重要性
ドレンバルブによるドレン抜きを適切に行わないと、どのような問題が起こるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
ひとつ目は、圧縮空気ラインの機器への悪影響です。
ドレンに含まれる不純物が機器の寿命を縮めたり、エアタンクなどでは貯まったドレンに容量をとられて、本来の性能を発揮できなくなったりします。
もうひとつが、末端のエア機器での問題です。
エアーガンなどでは水が吹き出し、たとえば塗装の場合などでは品質に大きな影響を及ぼします。
また、末端機器の駆動源であるエアーシリンダーにおいても、ドレンの不純物が不調の要因になるなど、ライン全体にわたるトラブル源になることが知られています。
ドレンバルブのタイプ
ドレンバルブには大きく分けて、手動バルブと自動バルブがあります。
手動バルブは文字通り、人の手でドレンバルブの開閉を行うものです。
ドレンバルブの7割ほどが、このタイプだと言われています。
適切なドレン排出には最低限でも1日1回のドレン抜き作業が必要だとされており、それにかかる手間ひまは馬鹿にならないものがあります。
また、ドレンバルブは、現場においてアクセスが悪いところにあったり、作業しにくい空間にあったりすることが多く、作業員の安全性の面からも問題が指摘されています。
自動バルブは人の手によるドレン抜きにかわって、各種の設定により機器自体がドレン排出を自動で行うものです。
人手不足が深刻な現在、人件費や作業員の負担の軽減、そして安全性の確保のためにも、より多くの企業において導入が待たれるところです。
省力化、省エネに貢献する高信頼ドレンバルブ
自動バルブにも、浮きの原理を利用したフロート式や電磁式のドレントラップなどがあります。
今回、ご紹介する「ドレンタイマーバルブ」は、独特なボール弁を使用した自動ドレンバルブで、他の方式に比べ、不純物などによる根詰まりを大幅に軽減できるのが大きな特長です。
すでに大手メーカーなど一流企業で20年弱におよぶ使用実績があり、壊れにくさ、耐久性でも高い評価を受けています。
また、近年では国家プロジェクトを担う海外での工場でも採用されるなど、高い信頼を集めています。
ドレンバルブの故障の修復には半日近くを要することがあり、その間、生産作業の停止を強いられることで多大な損失をもたらします。
その点でも、故障しにくい自動バルブの存在は企業にとって大きなメリットをもたらします。
また、「ドレンタイマーバルブ」の大きな魅力は、その省エネ効果です。
ドレンとともにエアーを流しっ放しにしている現場がありますが、そのようなケースと「ドレンタイマーバルブ」を使用した場合の比較を、一定の条件下での試算として示しましたのでご参照ください。
●エアーを作り出すのにかかる 、1分あたりの電力費用は約2.07円
※工場内の電力を16円/kWhと仮定、 37Kwのコンプレッサーを基準として算出
●ドレン流しっ放しによるエアーロスを25%とすると、 1分あたり約0.51円の電気が捨てられている!
●1年間の損失金額は、約180万円(24時間フル稼働・365日)、少なくとも約42万円(8時間稼働・250日)のロス!
ドレン抜き作業からの解放、排出不良・機器不良の大幅な軽減、そして電気代などのコスト低減など、導入によるメリットは極めて高いと言えるでしょう。
まとめ
今回はドレン排出を担うドレンバルブの種類と、大きな信頼を得ている「ドレンタイマーバルブ」のもたらすメリットを見てきました。
人手不足対策、人件費削減、作業の安全性、高耐久性による経済性…そして、その省エネ性能は電気料金の大幅な節減だけでなく、社会的な要請であるカーボンニュートラルにも応えるものと言えます。
ドレンに関しては『生産現場に求められるドレン管理の重要性とは?』でも解説していますので、あわせてご覧ください。
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