【CO2削減・省エネ】工場ができることとは?取り組み事例をご紹介!

現在、120以上の国と地域が2050年の「カーボンニュートラル」を目標として掲げており、様々な分野で取り組みが行われています。
製造業においてもCO2の削減は大きな課題です。そこで今回は、製造業におけるCO2削減を実現するためのポイントを解説するとともに、実際のCO2削減事例を紹介します。

工場に求められるCO₂削減・省エネ対策への取り組み

日本全体のCO₂排出量のうち、およそ25%を製造業が占めています。つまり「カーボンニュートラル」を実現するためには、製造業のCO₂削減が必要不可欠であり、インパクトも非常に大きいことが分かります。

工場がCO2削減・省エネ対策に取り組むメリット

それでは工場がCO₂削減・省エネ対策に取り組むことによるメリットはどういったものがあるのでしょうか。

1.自社の競争力の強化
SDGsなどの動向も重なり、まずは大企業を中心に環境への対策に打ち出しています。そしてその動きは大企業から関連する取引先などへ波及していくことが予想されます。競合先よりも先に取り組むことにより先行者利益を得られる可能性があります。

2.コストの低減
省エネ対策を行うということは、現在使用しているエネルギーを見直し、減らすということですので、燃料費や光熱費を抑えることができます。

3.従業員のモチベーション向上
自社が環境への取り組みを行うことにより、従業員も社会貢献への意識が高まり、モチベーションの向上に繋がります。

4.資金調達面が有利になる
企業へ投資する投資家や貸出を行う金融機関も、環境への取り組みを行っているかという部分を業績と同じくらい重要視して企業を評価しています。


CO2削減・省エネ対策のために工場ができること

■省エネ対策

・設備の適切な運転
はじめに設備の適切な運転条件の確認が必要です。工場にある各種生産設備が余分なエネルギーを発生させていないか、無駄があれば必要な分だけのエネルギーになるよう見直すことが必要です。

・高効率な設備の導入
設備を長年使用していると、エネルギーの効率は年々悪化していきます。設備に使われているモーターなどを高効率の製品に変更することで、エネルギー消費を抑えることができます。

・制御装置の導入
コンプレッサーやファンなどを最大負荷のまま運転していると無駄なエネルギーを消費してしまいます。制御装置を導入することで動力を必要最小限に抑制することで、消費エネルギーを削減できます。

■再生可能エネルギーの活用

2020年度の日本のエネルギー供給は化石燃料による発電がおよそ75%を占めています。つまり発電時にCO2が排出されているということです。そのため、工場で電力を使用すると、必然的にCO2の排出量が増えてしまいます。CO2削減のためにできることとして、太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギーの使用などがあります。
また、弊社ではCO₂フリー電気メニューの提供をしています。

■補助金の活用

上記のような設備更新には大きなコストがかかります。しかし、更新時の負担を抑えるために環境省では補助金が設定されています。補助金を有効活用してコスト負担を抑えられる可能性があります。

工場のCO2削減・省エネ対策への取り組み事例

CO₂削減・省エネ対策のためできることを解説してきましたが、ここからは実際に弊社のお客様の取組事例をご紹介します。

■ボイラ設備更新によるコスト削減

10年以上使用されているボイラの診断を実施し、メリット試算を行いました。試算結果から高効率の新設ボイラへ設備更新を行い、運用コストの削減を実現しました。

■コンプレッサー診断による省エネ

コンプレッサー4基の診断(稼働状況確認)を実施。オーバースペックであり、22KW 4基から、37KW1基に変更可能であることが分かりました。
設備更新により、ランニングコストの年間800千円削減を実現しました。

■工場・倉庫の遮熱対策について

夏場工場・倉庫の温度が高くなり、労働環境が悪く従業員の作業効率も低下しているという課題がある工場に対して、天井への遮熱シートの設置を行いました。これにより、太陽からの放射熱を97%カットすることが出来ました。
従業員の方からの声としても、以前までと工場・倉庫内の温度が”全然違う”ということで喜んで頂いています。

まずは自社工場のCO₂排出量を調べてみませんか?

CO₂削減・省エネ対策の取り組みを行ううえで、まず必要なのは自社の工場がどのくらいCO₂を排出しているか算定することです。新出光ではお客様からいただいたエネルギーデータからCO₂排出量を算定し、削減目標を実現するための方法をご提案させていただきます。

今回のコラムに関してのご意見や掲載してほしい話題などございましたら、お問い合わせフォームよりお知らせください。 お待ちしております!

文:エネルギー事業部営業戦略課 髙野龍太郎