商用車もEV化?EVトラックのイマをご紹介!《前編》

現在国内では、日産自動車のリーフをはじめとして、軽自動車の「サクラ」、三菱自動車の「ekクロスEV」、海外車の「テスラ」などEV自動車のラインナップが続々と増えています。
街中で目にする機会も多くなってきました。そういった中で、商用車であるトラックもEV化が進みつつあります。今回は「EVトラック」について取り上げていきます。


なぜトラックもEV?

それではなぜトラックもEV化が進んでいるのか、理由を解説します。
2020年度の国内のCO2排出量は約10億4400万トンです。その内、運輸部門は17%であり、その中でも約30%をトラックが占めています。
つまり全体のおよそ5%にあたるため、トラックの脱炭素化は不可欠であると言えます。

出典:環境省所管:国立環境研究所(温室効果ガスインベントリオフィス)


国の目標と現在の動向

政府は2021年に策定した「グリーン成長戦略」の中で、成長が期待される分野を14に分け、その中で「自動車・蓄電池産業」という項目を設けています。
EV等の電動車の普及加速という取組のなかで、乗用車はもちろんですが、商用車についても目標が記載されています。

"商用車については、8t以下の小型の車について、2030年までに、新車販売で電動車20~30%、2040年までに、新車販売で電動車と合成燃料等の脱炭素燃料の利用に適した車両で合わせて100%を目指し、車両の導入やインフラ整備の促進などの包括的措置を講じる。
8t超の大型の車については、貨物・旅客事業等の商用用途に適する電動車の開発・利用促進に向けた技術実証を進めつつ、2020年代に5,000台の先行導入を目指すとともに、水素や合成燃料等の価格低減に向けた技術開発・普及の取組の進捗も踏まえ、2030年までに、2040年の電動車の普及目標を設定する。"
経済産業省「グリーン成長戦略」より一部抜粋

このようにトラックの中でも特に8t以下の中小型トラックに関して、EVを含む電動車化を進めていくという目標が掲げられています。
ただ、国土交通省によると、国内のトラック保有台数約130万台のうち、2020年時点で約97%がディーゼル車であり、2030年においても9割はディーゼル車が占めるだろうと予測しています。目標に対して現状とは大きな差があることが分かります。


EVトラックの普及に向けた課題

現状として商用車のEV化はなかなか目標通りには進んでいないことが分かりました。
それではEVトラック普及のハードルとなっているものは何でしょうか。

① 航続距離が短い

現在販売されているEVトラックのほとんどは航続距離が約100㎞~200㎞といった車両です。
この航続距離で運用が可能なのはラストワンマイルの運送のみで、それ以外の用途のトラックには適しません。
これには、航続距離を伸ばそうとバッテリーを多く搭載すると積載量に影響してくるというトラックならではの問題があります。

② 充電インフラが不十分

上述のように航続距離が短いということは、稼働時間内での充電も必要となる可能性がでてきます。
充電インフラは2022年現在、約3万基(普通充電器:約2万2,000基、急速充電器:約8,000基)あります。
政府は2030年までに15万基(普通充電器:12万基、急速充電器:3万基)を目指しており、まだまだ足りていないことが分かります。また軽油車の燃料補給は数分で終わるのに対し、充電となると数時間かかることもあります。
いかに効率的に稼働させるかが重要な運送トラックにとって、この点は大きな課題といえます。

③ 車両コストが高い

大きな課題として、既存のディーゼルトラックと比較してEVトラックは車両のコストが1.5倍~2倍など非常に高いことが挙げられます。ただ、補助金の活用、軽油と電気代の差、メンテナンス費用の差などトータルコストで考えるとEVトラックにメリットが出る場合も十分に考えられます。


今回は前編ということで、EVトラックの必要性や、政府目標、それに対しての現状や課題について解説しました。
現在国内では、普及に向けてメーカーの開発や運送企業の実証的な導入、充電インフラの構築等が各方面で進められています。
後編では、実際に具体的なEVトラックの車種や導入事例についてお話ししていきます。

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文:エネルギー事業部営業戦略課 髙野龍太郎