前回まで「水素」に関して3回に分けてお話ししてきました。その中でも触れた燃料電池自動車いわゆる「FCV」について今回からお話ししていきます。 文:エネルギー事業部営業戦略課 髙野龍太郎
2020年12月にトヨタ自動車より発売された新型“MIRAI”。代表的なFCVですが、発売開始された2014年当初からフルモデルチェンジしており、私自身も街中で目にすることが多くなりました。また、FCV普及のカギとなる水素ステーションも弊社の本社がある福岡県には移動式を含め、2021年8月現在で10箇所あり、全国的にも増加傾向にあります。
■FCVの特徴、メリットとは?
それではまずFCVとはどういうものなのか特徴やメリットなどを解説していきます。
FCVは大気中の酸素と外部から補給する圧縮水素が必要です。酸素と水素の化学反応により車両内の燃料電池で電気を発生させ、その電気によって搭載しているモーターを回し、動力にしています。排出されるのは化学反応時の水だけであり、FCVの最も大きな特長であるCO₂をはじめとした排気ガスを出さないことから“究極のエコカー”と呼ばれています。
そのほかにも、ガソリン車やハイブリッド車と比べてエネルギー効率が高いことや、ガソリンのように水素を補給するため、EV特有の長時間の充電の必要がなく、使い勝手が良いことがメリットとしてあげられます。
またエンジンを搭載していないため、静粛性にも優れています。私も実証中の燃料電池バスに乗ったことがありますが、非常に静かで快適な走行でした。
ここまでFCVの特徴、メリットについてお話ししました。多くのメリットがあるので、普及は早く進みそうですが、実は高いハードルとなっている課題も多くあります。
次回はその課題や、課題解決に向けた動き、実際にトヨタ自動車のMIRAIを所有している方の声などをお話ししていきます。
今回のコラムに関してのご意見や掲載してほしい話題などございましたら、お問い合わせフォームよりお知らせください。 お待ちしております!
参考:
トヨタ自動車HP「MIRAI」
燃料電池実用化推進協議会「商用水素ステーション情報」